大災害が発生したら!

 災害が発生した時

 災害が起きた時、まずやるべきことは何でしょうか。防災ブック「東京防災」、女性視点の防災ブック「東京くらし防災」から一部抜粋し、災害発生直後の「困った!」を解決する情報をまとめました。

災害発生! <自宅>でやるべきこと

 自宅にいる時間帯に大地震などの災害が起きたら、まずは自分の命を守りましょう。慌てて外に出ると、落下物やガラスの破片によってけがをする恐れがあります。ある程度揺れが収まったらいつでも避難できるように出口を確保し、出火の原因となる電気やガスを確認します。

電気

 電気機器からの出火や、停電が復旧した時に発生する火災に備えて、ブレーカーを落としておきましょう。ただし、夜間にブレーカーを落とすとすべての電気が遮断されて暗くなってしまうため、ブレーカーの操作をする前に懐中電灯を用意しておくのがおすすめです。

ガス

 ガスメーターは震度5以上の揺れを感知すると安全機能が作動し、自動的にガスを遮断します。揺れが収まったら、まずはガスの臭いがするかどうかを確認しましょう。

ガスの臭いがするとき

 感電や火災の恐れがあるため、換気扇や電気のスイッチを入れたり、火を付けたりする行為は絶対に避けてください。可能な範囲でガス栓とメーターの元栓を閉め、窓を開けて換気をし、すぐにガス会社に連絡をしてください。

ガスの臭いがしないとき

 ガス漏れなどの異常がない場合は、ガスを使用することができます。ガスメーターの安全装置が作動していたら、復帰操作※を行いましょう(詳しくはガスメーターに付いている説明書をご覧ください)。

ガスメーターの復帰方法は? ただし、ガスの臭いがしているなら復帰するのはNGです 画像提供/東京ガス

ガスメーターの復帰方法は? ただし、ガスの臭いがしているなら復帰するのはNGです 画像提供/東京ガス1.すべてのガス機器を止める。
※屋外のガス機器も忘れずに。

2.復帰ボタンのキャップを外す(キャップがないタイプもあります)。

3.復帰ボタンをしっかり奥まで押し込み、ゆっくり手を離す。
  赤いランプが点灯した後、また点滅が始まります。
※ランプが点かない場合もあります。

4.ガスを使わないで約3分待つ。ランプの点滅が消えていたら復帰完了です。
変わらないときは、もう一度1から始めてください。

※1~4を繰り返しても復帰しない場合はガス会社に連絡しましょう。

※参考:東京ガス「ガスメーターの復帰方法

 また、災害によって家屋の一部が損壊すると、ドアや窓の施錠ができなくなることもあります。そんなときは、次の方法で対処しましょう。

玄関のドアが閉まらないとき

 ドアチェーンと南京錠で施錠し、借家の場合はすぐに大家さんや管理会社に連絡します。

割れた窓の応急処置

 最初に窓枠から落ちそうな破片を取り除きます。その後、粘着力の強いテープを使い、ブルーシートやレジャーシート、段ボールなどを貼って窓を塞ぎます。また、災害によって家屋が損壊すると不審者に侵入される恐れがあります。窓の前に大型の家具を置いておくのも有効です。

 過去には災害後に女性被災者が性犯罪に巻き込まれた事例もありました。たとえ日中でも、一人で仮設トイレに行ったり、家の片付けをしたりする行為は避けましょう。人手が必要なときは、友人や家族に手伝ってもらう、ボランティアのサポートを女性に限定するなどの手段があります。また、従来の環境に戻るまで時間がかかりそうなときは、無理をせず、一時的に友人宅や実家に身を寄せましょう。

<安否確認>と<情報収集>

 家族や自分の安否を伝えたり、確認したりするときは、信頼できる災害用伝言ダイヤルや、災害用伝言版を利用しましょう。

安否確認

災害用伝言ダイヤル(提供元:NTT)

 被災者が安否メッセージを登録し、それ以外の人が被災者の声を聞いて状況を確認する「声の伝言板」です。「171」にダイヤルし、案内に従って録音・再生しましょう。

災害用伝言版(提供元:携帯電話会社)

 携帯電話やスマートフォンから、安否情報の登録や確認をすることができるウェブサイトです。携帯メニューからポータルサイトにアクセスして使用します。

J-anpi

 電話番号または氏名で、災害用伝言版、報道機関、企業団体が提供する安否情報を一括検索できます。
 安否情報まとめて検索 J-anpi ⇒ https://anpi.jp

公衆電話

 災害時、通常の電話はつながりにくくなりますが、公衆電話は比較的つながりやすいといわれています。

情報収集

 デマに惑わされず、各都道府県、内閣府、首相官邸、国土交通省、消防庁、気象庁、警視庁、NHKなど、信頼できる情報を提供しているウェブサイトを確認しましょう。

<暑いとき><寒いとき><生理用品がないとき>

 首の後ろやわきの下、尾てい骨の上の温度を調整することで体温の調節ができます。また、生理用品がないときは布ナプキンなどで代用しましょう。

暑いとき

 首の後ろに保冷剤を当て、タオルを巻きましょう。また、わきの下に保冷剤を挟むと体のほてりを抑えることができます。

 保冷剤がない場合は、タオルを濡らして首に巻き、うちわなどで仰ぐと涼しさを感じられます。また停電していない場合は、扇風機の前に氷のかたまりを置いておくと、ひんやりした風が流れます。

寒いとき

 お湯を入れたペットボトルをわきの下に挟んだり、カイロを尾てい骨の上に貼ったりすると、体全体が温まります。首にマフラーやタオルを巻くのも効果的です。

ナプキン代用アイテム

・ティッシュペーパーをタオルハンカチでくるんだ布ナプキン
・折り重ねたトイレットペーパーやティッシュペーパー
・使い捨てできる清潔なタオルや布

 一つだけ残っているナプキンがあれば、その上にトイレットペーパーを重ねて複数回使うこともできます。しかし最近は、避難所に生理用品が多数届くケースもあります。また、近くにいる女性にナプキンをもらえないか聞いてみるのも一つの方法です。できるだけ清潔なものを使うよう心掛けましょう。

緊急時の応急手当

 自分や周囲の人がけがをしていたら、身近にあるものを使って応急処置を施しましょう。次のアイテムは、包帯の代用品として使えます(いずれも清潔なものに限ります)。

これらは、清潔なものであれば包帯の代用品として使えます イラスト/尾崎悠子

これらは、清潔なものであれば包帯の代用品として使えます イラスト/尾崎悠子

・ハンカチ
・バンダナ
・手ぬぐい
・ネクタイ
・タオル
・カーテン
・下着類
・紙おむつ
・生理用ナプキン
・ラップ

 けがをしてしまった場合は、次の方法で処置しましょう。

軽い切り傷やかすり傷

 傷口が土砂などで汚れている場合は、水で洗い流します。ガーゼや清潔な布などを当てて傷口を保護し、包帯を巻きます。かすり傷程度の場合は、ワセリンを傷口に塗れば止血することができます。

深い切り傷

 出血している部分にガーゼや清潔な布などを直接当て、手や包帯で強く圧迫します。感染予防のため、救護者はゴム手袋やビニール袋を必ず着用しましょう。

骨折・捻挫

 折れた骨を支える「添え木」になるものを用意し、折れた骨の両側の関節と「添え木」を布などで結び、固定します。

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 緊急時はストレスを感じやすいため、少しのけがや出血でも不安になりがちです。また、インターネット上ではデマが飛び交う可能性もあります。自宅や勤務先、屋外など、どこにいたとしても、まずは自分の目と鼻と耳で危険を確認し、冷静に行動しましょう

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